５月例会

小間子の自生カザグルマ

2016年5月15日（日）　晴れ

集合:　小間子そば駐車場9時50分集合　

コース :　千葉乙女さん宅の栽培カザグルマと広い自然農園観察
　　　　　　→カザグルマの自生地二ヶ所　→農業交流センター
　　　　　　　昼食「初花」でお蕎麦、解散

参加者：　老　原　崎　保　井　平　奈
案内者：　　千葉乙女　さん

【カザグルマを訪ねて】 (若葉の海)　 　　　

　今回の観察会では絶滅危惧種の貴重花「カザグルマ」を訪ねた。

　５～６年前に他のカザグルマの自生地で大輪の白い花に出会い感動した思い出がある。
今回の再会チャンスは好天に恵まれた。千葉乙女さんに、カザグルマの自生地をご案内いただくとともに、ご自分で接ぎ木から栽培しているものも見せていただき二重の楽しみとなった。

　千葉乙女さんは多彩な手腕を待ち植物にも詳しかった。最初にご自宅の広い敷地内で接ぎ木で育てたカザグルマを見せていただいた。大輪の花が開花し見事だった。カザグルマはテッセンやクレマチスと違って藪の中で静かに自生するものと思い込んでいただけに、接ぎ木から栽培した花の素晴らしさに改めて驚き、感動した。カザグルマ（花びらは主に8枚）は日本原産、テッセン（花びらは主に6枚）は中国産、クレマチスはカザグルマの改良品であることも改めて知ることができた。　　

　自生地は「根は日蔭、花は日向」の環境で、山の斜面の静かな空気の中で凛と咲いていた。美形の白い花は一目で確認が出来、暫し見惚れた。周辺の谷津田は早苗の緑一色。ニホンカワトンボが飛び廻り大空にはカラスの大群が旋回していて、長閑な季節感あふれる自然に触れることが出来た。更に、農業交流センターで一般観賞用に千葉乙女さんが手伝って棚づくりにしたカザグルマも観察した。多くのカザグルマに出会うことができたが、花弁の形などがそれぞれ微妙に違っていることを実感したり、栽培で立派に開花させる手腕を知ったことも収穫だった。

　観察に熱中しすぎて遅くなった昼食は、地元のそば処「初花」で楽しんだ。
時間を割いて案内して下さった千葉乙女さんに感謝致します。

1．樹木に絡むカザグルマ　　　　木にまとう　咲いた白花　幾年か

2.自生地に向かう　 　　　　　期待乞う　早苗を横目に　道急ぐ

3.自生カザグルマ（１）　　　　根は日蔭　花は日向の　美形花

4.自生カザグルマ（２）　　　　風待ちて　飛んで行きたい　大空へ

5.ニホンカワトンボ　　　　　　何語る　谷津田せせらぎ　ペアトンボ

6.カラスの大群　　　　　　　　天敵か？　大空祐飛 （ゆうひ）友庇う

7.農業交流センターのカザグルマ　　　工夫した　見せる植栽　造形美

8.ネモフィラ畑　　　　　　　  今絶賛　碧眼魅力　可憐花

9.マムシグサ　　　　　　　　 鎌首を　もたげた異様さ　人気損

【かざぐるま】　（都わすれ）　　　

「動くものみな緑なり風わたる」　－五百木　瓢亭－

５月。
　緑したたる若葉はひときわ色の濃さを増し、風にふかれて歩きまわるにふさわしい季節である。
５月観察会は千葉市若葉区小間子の千葉乙女さんのご案内で野生のカザグルマを観察することになった。幻の名花に出会えると朝から胸躍り、車中では初めてお会いする千葉乙女さんの話題で盛り上がった。

　お会いした千葉乙女さんは70代の温厚な人柄の方だった。昔は農家だったというお宅の敷地は公園と見間違うほどうっそうと樹木が生い茂り、畑には大型トラクターが据え置かれ、ミツバチの巣箱もあり、アオサギがザリガニを食べに来るという池もあった。大木に這わせたカザグルマが満開で、花の白さが異様にまぶしかった。ナチュラルガーデンは大規模、千葉市内にこんな場所が存在するのかと、ただただ感嘆の声を発する。

　ひとしきり敷地内を散策しすっかり打ちとけて秋の紅葉のころの再訪をお約束して時間のたつのも忘れたころ、ではいよいよ「自生地にご案内しましょう。」と車で移動することとなった。

　野生のカザグルマに出会うのは２度目である。うす暗い斜面にまぶしい程の白い大きな花は上向きに咲きツルは長くのびて広い斜面をおおいつくし、10、20にあまる花の群れに目を見張った。

　葉は3～5小葉からなる複葉が対生して葉柄でものにからみつく。花弁のようなものは、じつはがく片でふつうは８枚。中心に多くのめしべが集まりまわりを多くのおしべがとりまく。属名クレマティスはギリシャ語起源の女性名詞でまきひげの意である。

　千葉乙女さんには大勢でお邪魔したにも関わらずお忙しい中仕事も休業して現地にご案内いただき厚く御礼申し上げます。 

【千葉県は農業大国】 　　（やみなべ）　　

意外にも　千葉県は農業生産額が　１北海道　２茨城　に次いで全国で第３位なんです。
野菜も同じ順位で　第３位　です。
うちの近所のしょぼい農地を見ていると、なんだか実感がありませんでしたが。 

案内していただいた千葉乙女さんの門前には、黒いビニールシートにカバーされた見渡す限りのサトイモ畑がありました。
４人の中国からの農業実習生とともに作出しているそうです。
近所の農家の農場でした。　たいしたものです。
千葉県の産業としての農業の実力を実感しました。

 

ちなみに　仲間の多くが関係している千葉の鉄鋼業の県別生産高は
野菜と同じ　１愛知　２　兵庫　に次いで　第３位　です。
世界を相手に奮闘した仕事が野菜と同じ程度の順位とは
びっくりです。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

 

【カザグルマ】　　（木もれ陽）　　

一度見たいと思っていたカザグルマ、
とうとう会うことができました。
千葉乙女さん本当にありがとうございました。
私は花が付いている苗を選ばせていただき
画室の窓の傍の垣根に大切に植えました。

 

 

【吟行句】　　（春こ）

 

　　　　紫外線帽子の中の青葉闇

　　　　すてきな実年齢じゃがいもの花

　　　　とりどりの影まといけり聖五月

　　　　静けさは日向の匂い植田かな

　　　　カザグルマ平安の刻かよいあう

　　　　この偶然終らないでカザグルマ

　　　　柳茂るいいつくせない深おじぎ

【カザグルマ】　　OBA

これが自生のカザグルマ


こんな状況で咲いてました


農業交流センターの棚作り